掴んだその手を離さないで！ 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜

聖堂館学園は幼稚園から高校までの一貫校。友達環境は大きく変わることなく思春期を迎え、慣れた環境のまま高校を卒業する。

皆が仲間、長年過ごした兄弟姉妹のような温い人間関係だった。

遠く離れた俺は、突然一人、その輪から放り出された気分になったのだ。

全く知らない同級生たち。
自分がまさかの人見知り。
誰にも声をかけることが出来ない。
そしてホームシックにかかるなど、思いもよらなかった。

ある日淳之介にメッセージを送った。
もちろんホームシックにかかっているなど、微塵も感じさせずに。

《長年のお前の夢がやっと叶うんだ。
応援してるぞ！ めいいっぱい勉強してこい！》

それは淳之介らしいメッセージだった。
でも、ホームシックにかかっている俺には逃げるところがなくなった気がしたんだ。

環は？
ここは遠いけれど、会いに来てくれないだろうか？

そう思い、同じようにメッセージを送ってみた。