掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「ただいまー」

「淳くんおかえりなさい!」

「ただいま……お前、また突然来たのか?」

淳之介が呆れた顔で俺を見る。

そんなに嫌そうな顔をしなくてもいいじゃないか。
嫉妬深い男は嫌われるぞ。

「拓郎、住むところ決めたんだって」

「ああ、実家には住まないのか。
どの辺りだ?」

「5階」

「……は?」

「5階だよ。ここの0505号室」

「な、なんで…」

「実家も近いし、通勤は1本で行ける。駅近だし、ベストだろ?
たまたま分譲貸しが出たんだ。1LDK。
悪くないだろ?」

「……」
「……」

「とりあえず腹減ったなー」

「親子丼作ったの。
拓郎も食べる? すぐに追加するよ」

「食べる!」

「……」

「あ! これってエコー写真ってやつか?」

ダイニングテーブルの上に、白黒で扇形の写真のようなものがあった。
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