掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
……ん?

「……ちょっと待って。
野望って、まさか……」

「そう。あいつが生徒会長になったのはこのためだ。
高校の文化祭で、小聖堂を使ったプラネタリウムをすること」

それは、初めて知ったよ……
私、そのために生徒会に引き入れられたのか。

……だったらもっと早くから言え!
ちゃんと協力するのに。

そりゃ、淳之介ほどの動きはできないだろうけどさ。
私だって、拓郎の夢を叶えるお手伝いがしたい。

「そっか…
じゃあ星バカの拓郎のために、一肌脱ぎますか」

「え? 脱ぐの?
俺、ここで見ててもいい??」

「なっ……もうっ!
本当に脱ぐわけないでしょ!
淳くんのバカ!」

「イタタタ…」

「……何やってるんだ?」

私が淳之介をポコポコ叩いていると、しばらく席を外していた拓郎が帰ってきた。

「拓郎聞いて!
淳くんがセクハラ〜」

「してない。
環が自分で『脱ぐ』って言ったんだ。
だから『見てていいか?』って聞いただけだよ」
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