掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「お前、ずっと入り浸ってそうだな……」

「嬉しいだろ?」

「はぁ?」

「あ、そうだ! 発表があるんだった!」

そうそう。今回大阪に帰った目的の2つ目だ。

「……なに?」

淳之介が警戒心MAXになっている。

「これだ!!」

胸ポケットから1枚の紙を取り出す。

「名前だよ、お前たちの子の!」

「はぁ!?」

「環から女の子だと聞いたから、一生懸命考えてきたんだ!」

「ちょっと待て。なんでお前が決める?」

「いや、お前たちの第1子だぞ?
名付け親は俺に決まってるだろ?」

「……拓郎、どんな名前?」

「おう! コホン、では発表です……
ジャーン!」


【倉田 彗】


「倉田 ……スイ?」

「そう! 彗星の彗だ。いい名前だろう?」

「……はぁ…なんで俺達の子に星の名前なんだよ!」

「ちゃんと意味はあるぞ。
彗星は、何よりも綺麗だ。そして勢いがある。星の一生に比べたら、人間の一生なんて瞬きにもならない。
でも、そんな人生の中で常に輝きを失わず前に進んで欲しい。
……まあそういう願いだ」
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