掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「あ、いや……すみませんでしたっ」

ここは謝るの一択だ。
順序が違うって言われるのは仕方ないことだから。

「フッ……別に謝る必要はない。
むしろ、ありがとうな」

「へ?」

「俺は小さい頃から、淳が一途に環を想ってくれているのを知っていたんだぞ。
お前になら環を任せられるってずっと思ってた。
環を諦めないでいてくれてありがとうな」

「真くん……」

「生意気なやつだけど、俺にとっては可愛い妹なんだ」



実は環の兄である朝倉 真くんとはずっと繋がっていた。

高校の時、拓郎の元カノのことで環を心配した真くんは俺に連絡をしてきた。

『SNSにアカウントを作って、環抜きの夏祭りの写真をアップしてくれないか』

俺は即座に理解した。
真くんが何を考えているのかを…

『いいよ』

SNSとは無縁だったが、すぐに行動に移した。
その効果があったのかは分からないが、環が虐められるようなことは無かった。
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