掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
しかしその後も咲希が拓郎を諦めているようには見えなかった。
そうなれば、いつも拓郎の傍にいる環を目障りな存在だと思い始めるだろうことは予想出来た。

『悪いが、淳と環の二人の写真をアップして欲しい。
ひょっとしたら二人の仲が誤解されることもあると思うが…』

『別にいいよ』

『……だよな。まあ、お前なら断らないと思った』

……しっかりバレてるんだな。
俺の気持ちがどこにあるか。

環には迷惑な話かもしれないが、俺は司令を受けて好きな子とのツーショット写真をアップ出来るんだ。
正直お得な話だった。
もちろん控えめな写真にしたが。

その後も、真くんはたまに俺に連絡をくれた。

昔から無口で少し人見知りのある真くんだが、何故か俺の事を可愛がってくれていた。俺の前ではよく喋るんだ。

なんというか……ウマが合う? という感じだった。
もちろん俺も兄のように慕っていた。

まさか本当に義兄になる日が来るとは思わなかったけど。
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