掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「……何の話をしてるんだか。
環、淳と二人っきりになるな。
こいつ、こんな聖人面して、意外とむっつりだからな…」

「待て。お前に言われたくない」

「俺はむっつりじゃない。オープンだ!」

「…………バカなの?
威張るところじゃないわよ」

「だな」

私と淳之介の呆れた目線を全く気にもせず、制服の上衣を脱ぎ始めた。

「ちょ、ちょっと!……何よ突然…」

「外めちゃくちゃ暑くて。
ここら辺にTシャツがあったはずなんだが…
あ、あった」

拓郎が私物化しているキャビネットからTシャツを取りだし、着替えている。

ま、私は全く意識されていないってわかっているんだけどね……

「拓郎、お昼ご飯食べたの? 突然いなくなるから……」

「咲希と食べた」

「……あ、そう」

聞かなきゃ良かった。

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