掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「お腹の子はちゃんと動いているか?」

「うん……ん?
あれ? グニョグニョ動いてはいるんだけど、やっぱり胃を突き上げられる感じはないわ」

「じゃあ本当にもうすぐなのかもな」

と言っていたのが朝のこと。

学年末テストの答案返しをして、短縮2時間授業の生徒を正門で送り出している時だった。

「倉田先生!
奥様からお電話がかかってきています!」

生徒達と話していた俺は、事務員さんが探しに来たことに心底驚いた。
環がわざわざ学校に電話してきたってことは……。

「先生! 生まれるの?」

「赤ちゃんだよ! 生まれるんじゃない?」

「わぁー! 環先生がんばれー!」

生徒達が応援してくれている。

目の前にいたのは、たまたま中学一年生の子供たちだった。
昨年は小学部にいたため、図書館棟の環先生をよく知っている。
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