掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「ちょ、ちょっと行ってくる!
みんな気をつけて帰れよ!」

俺は事務室に駆け込んだ。

「環っ!?」

「あ、淳くん、ごめんね。まだ終礼中じゃなかった?」

「いや、正門で下校を見てたとこ」

「あのね、破水したみたい」

「破水!?」

「それで、病院に電話したらすぐ来てくださいって。
お母さんに連絡したら、今お父さんと車で来てくれた」

「俺も帰るよ!」

「ううん。帰れそうなら病院に直接来て。
もうこのまま向かうから」

「わ、わかった!」

落ち着け、俺!
ついに来たんだ!

俺は職員室に戻り、教頭に事情を説明し、病院に向かうことにした。

病院に着くと、朝倉の両親が迎えてくれた。
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