掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
それって、羊水がすっかり流れ出てしまったりしないのだろうか…

まあ既に病院に入ってるんだから、何があっても大丈夫だよな?

それから陣痛の波が来た。

「痛っ」

「環! 大丈夫か!?」

思わずモニターを付けているお腹を触る。

硬い!

陣痛の時ってこんなに硬くなるのか…
痛そうだ…

「……ふぅ……治まった」

環が表情を緩めた途端、お腹の張りも明らかに緩んだ。

「これ、ずっと続くのか?」

「陣痛の間隔がもっと短くなったら、子宮口も開いて来るらしいわ。
まだまだなんだろうね〜ナコちゃんが羨ましいよ」

あれは特殊なパターンなんだろうな。

たまごスクールでは初産の分娩時間は平均12時間以上と書かれていた。

「お待たせしましたー」

昼ごはんが届いた。

「ねぇ、淳くんも食べてきて。
きっと長くなるから、一旦家に帰っても…」

「まさか!
帰るわけないだろう?
ここにいるよ。昼飯はお義母さん達と食べてくるよ。待合室にいるみたいだから」

廊下に出ると、ちょうど公親先生も出てきたところだった。
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