掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
咲希ちゃんとは、拓郎の彼女だ。
付き合って2ヶ月になる。
拓郎の同級生で、私より1つ上。
小柄で華奢でふわっとしたボブが可愛い女の子。アニメの声優さんみたいに声まで可愛いのだ。
私とは正反対。
可愛げのない喋り方に、高めの身長。
それに私は自分が地味だということをよーく理解している。
アニメの主人公に例えられる双子の兄姉はとっても華やかな美男美女。
その陰に隠れて育った、地味な妹なの。
兄も姉も大好きだし、比べられたって、私の地味さは変えようがないんだから、これまではあまり気にしたことはなかった。
でも咲希ちゃんに対しては、全く異なった種類の敗北感のようなものを感じていた。
何もかもが違いすぎてかすりもしない。
「あぁ、私じゃないんだ」と、納得せざるを得ないのよ。
「私……ちょっと図書館棟に行ってくる。今日から閉館時間14時だから急がないと…」
「行ってらっしゃい」
逃げ出すわけじゃないけど、咲希ちゃんとデートしてきたという拓郎と、同じ空間にいたくなかった。
少しでいい。気持ちの切り替えをしたかったのだ。
付き合って2ヶ月になる。
拓郎の同級生で、私より1つ上。
小柄で華奢でふわっとしたボブが可愛い女の子。アニメの声優さんみたいに声まで可愛いのだ。
私とは正反対。
可愛げのない喋り方に、高めの身長。
それに私は自分が地味だということをよーく理解している。
アニメの主人公に例えられる双子の兄姉はとっても華やかな美男美女。
その陰に隠れて育った、地味な妹なの。
兄も姉も大好きだし、比べられたって、私の地味さは変えようがないんだから、これまではあまり気にしたことはなかった。
でも咲希ちゃんに対しては、全く異なった種類の敗北感のようなものを感じていた。
何もかもが違いすぎてかすりもしない。
「あぁ、私じゃないんだ」と、納得せざるを得ないのよ。
「私……ちょっと図書館棟に行ってくる。今日から閉館時間14時だから急がないと…」
「行ってらっしゃい」
逃げ出すわけじゃないけど、咲希ちゃんとデートしてきたという拓郎と、同じ空間にいたくなかった。
少しでいい。気持ちの切り替えをしたかったのだ。