掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
え?
ちょっと待って。
私は思わず振り返ってしまった。
咲希ちゃんはあからさまに寂しそうな顔を拓郎に向けている。
まずいわよ。
拓郎の気持ちは嬉しいけど、ここは彼女を尊重しないと!
「た、拓郎!
私、今年はお姉ちゃんとナコちゃんと約束してるの。
あ、ほら、お兄ちゃん達、夏期講習があるから一緒に行けないでしょ?
だから女子でお祭りに行くんだ」
お兄ちゃん達が行けないのは本当のこと。
でも、お姉ちゃんとその親友のナコちゃんとは約束しているわけではない。
こうなったら、くっついて連れていってもらうけど。
とそこで、左からすごい視線を感じた。
淳之介だ。
『おいっ! 自分だけ逃げやがって〜!
俺はどうするんだよ!?』
『あ、ごめん。
でも自分でなんとかして』
目で会話をする。
正直、淳之介はいいのよ。
問題は女である私。咲希ちゃんにとっては、確実に邪魔な存在のはずだもの。
「……拓郎、俺も環たちと回ることになってるんだ」
「は? 聞いてない」
ちょっと待って。
私は思わず振り返ってしまった。
咲希ちゃんはあからさまに寂しそうな顔を拓郎に向けている。
まずいわよ。
拓郎の気持ちは嬉しいけど、ここは彼女を尊重しないと!
「た、拓郎!
私、今年はお姉ちゃんとナコちゃんと約束してるの。
あ、ほら、お兄ちゃん達、夏期講習があるから一緒に行けないでしょ?
だから女子でお祭りに行くんだ」
お兄ちゃん達が行けないのは本当のこと。
でも、お姉ちゃんとその親友のナコちゃんとは約束しているわけではない。
こうなったら、くっついて連れていってもらうけど。
とそこで、左からすごい視線を感じた。
淳之介だ。
『おいっ! 自分だけ逃げやがって〜!
俺はどうするんだよ!?』
『あ、ごめん。
でも自分でなんとかして』
目で会話をする。
正直、淳之介はいいのよ。
問題は女である私。咲希ちゃんにとっては、確実に邪魔な存在のはずだもの。
「……拓郎、俺も環たちと回ることになってるんだ」
「は? 聞いてない」