掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「姉として心配なのよ。
拓郎がフッた子に、環が逆恨みされないか。
だって、拓郎のそばに常にいるのは環だもの。昔からずっとそうだったじゃない?
それなのに、拓郎は他の子と付き合いだして。
もちろんそれは拓郎の自由だわ。
環だってそのことを別になんとも思ってないし。
でもね、今までの状況を踏まえると、拓郎がその子と別れたのは、環が原因だって思われないかしら?
拓郎、どうしてその子と別れたの?」

「ちょ、ちょっとお姉ちゃん…」

それは首を突っ込みすぎなんじゃ……

「……夏祭りは、毎年こいつら…環と淳と一緒に行ってた。
約束してもないのに、自分と行くと思い込んでいる咲希の態度にムカついたんだよ」

「……」
「……」
「……」

「……前から思ってたんだけど、じゃあなんでお前、咲希と付き合ったんだ?」

それはここにいる皆んなの疑問だろう。

「……友達としては面白い奴だったから」

「お付き合いを始めたら、束縛がキツかったのね?」

とナコちゃんが。

「まあ……
俺は、やりたい事が他にもある。
生徒会もあるし、咲希にそんなに時間は割けないことは、最初から話してあったんだ」
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