掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「まあ、私たちが卒業するまでは大丈夫だと思うけどね。
環ちゃんは双子の妹だもの。
学園のヒーローとヒロインの妹に手を出すことはないでしょう」

ナコちゃんの言ってることはきっと正しい。
この学園で双子の人気は絶大だ。

でも、ただ抜群の容姿でアニメのキャラクターに似ているから人気というわけじゃない。

姉は、今みたいに、言うべきことはハッキリ言って、妹を守ってくれる強さも持ち合わせている。
本物の正義のヒロインなのよね。

姉が、私の懸念事項をズバッと言ってくれた。
それがとても嬉しかった。
「さ、行こう!
こんなところで話し込んで、時間を無駄にしちゃったわ。
あ、拓郎?
悪いけど、今日は私とナコも一緒にまわるわよ?
こちらの予定は変更しないから」

「私たち、可愛い妹と一緒にまわるの、楽しみにしてたんだからね?
ね、環ちゃん?」

そう言って、ナコちゃんが私と腕を組んでくれた。

「う、うんっ!」

すっごく嬉しいっ!!

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