掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「ねーちゃん!」

「あ、宣!
ちゃんとお参りした?
遊んでばかりじゃダメよ?」

私の三つ下の弟、宣(せん)が声をかけてきた。宣も学校のお友達と夏祭りを楽しんでいるようだった。
ところが……

「もちろんしたよー。
あれ、拓郎ー!? 淳兄もいる!
なんでねーちゃん達と一緒にいるの?」

「あ?……今年は、真くんがいないから……淳とボディーガードだ」

「ふーん。
いいなー。俺も一緒に行きたい!」

昔から隣家の拓郎に懐いていた宣が、友達の輪から抜けて、こちらに来ようとしている。

「ちょっと宣! 友達はいいの? 」

せっかく友達と来ているのに、みんな気を悪くするんじゃないかと、私は心配した。

「あいつら、そろそろ帰るって。見たいテレビがあるらしい」

なるほど

「よし! じゃあ宣も一緒に回るか。
射撃やったか?」

「やったけど倒れなかった」

「じゃあもう1回行くか!」

「うん!」
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