掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「ま、俺のことはいい。
でも、環まで同じように考えるな。
この際だから一度だけ言う。
お前のこと、一番理解してくれている女は誰なのか、よく考えろ」

環が星を好きじゃない?
……いや、違った。
俺に合わせてくれてる?
……それも違う。
淳に言われるまでもなく、本心ではわかっていたことだ。

環以上に俺を理解してくれている女はいないって。
でも、あいつは幼馴染で、妹みたいな存在で、そういう対象として見るのは違う。

「ただいま〜!」

俺たちが話している間に、環が戻ってきてしまった。
さっきと違って、いつもと変わらない環だった。

でも俺は、環が告白されたこと、淳之介が環がもう大人だと言うこと、そして俺に合わせてくれている唯一の女だということ、その事で頭がいっぱいになっていた。

いつの間にか告白されるような年齢になっていたんだ……。

当たり前か。
1つ年下で、もう高校生なんだからな。

なんだかよく分からない、モヤッとしたものを感じた。
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