掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜

天文サークル

「お前、高校組のやつに告白されたんだって?」

「……」

直球だな。

声を最大限小さくして、拓郎が話しかけたきた。

金曜日のあの声をかけられた時に、何も言われなかったから、あれで終わったと思っていた。

「淳くんから聞いたのね」

「陸上部のやつだって」

「そうだけど?」

それがどうしたのよ。
好奇心で聞くならやめて欲しい。

こっちはそれなりに驚いたし、ドキドキしたし、困ったし、混乱したし…

そのことを好きな人に探られたくはない。

「で?」

「で? ってなに……」

「そいつ、どうするんだ」

「……別に……
拓郎に関係ないと思うけど」

「はあ?」

どうしてそんなに睨むのよ!
しかも声が大きい!

拓郎が好奇心で聞いていることくらいわかってる。
私に深い関心があって聞いているんじゃないってことも。
だから答えてやる義理なんてないのだ。
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