掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「まあ、その……
私だって、可能性はあるわけじゃない?
出会いはどこに転がってるかわからないからね? 美由紀も薦めてくれてるし。
だからまずは、お友達からってことで…」

これとっても苦しい…

実はこの話、半分が本当で、半分は盛っている。

確かに杉山くんに声をかけられた。

ただ、一つ違うのは、お友達からと言ったのが私ではなく、杉山くんだということ。

本当は告白されたわけではなく、最初から友達になって欲しいと言われたのだ。

だから混乱したのよ。

本当に友達になりたいだけ?
それとも、お友達の先はあるの?

ひょっとしたら、目的は私じゃなくて美由紀だとか?

正直なところ、今でも分かっていない。

だけど確かなことは『断れなかった』ということだ。

『友達になってくれ』と言われて、断れる人はいないと思う。
だってただのお友達なんだもん。

連絡先を交換して、今はメッセージのやり取りをしている。

メッセージの内容は込み入ったものではなく、自己紹介的なものが続いている。

友達になるんだもの。
自己紹介は大切だ。
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