掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
淳くんにはちゃんとそのことを伝えた。
伝えたけれど、拓郎が「告白されたのか?」と聞いてきたのは、淳くんがきっと操作したのだろう。

でもそれは正しい。
ありがたい判断だったと思う。

こんな、私に幼馴染以上の感情を持ってくれない人を、私がずっと思い続けると思ったら大間違い。もちろん本人は私の気持ちに気づいてもいないんだろうけど。

新たな恋の可能性があるなら、私だってチャレンジしてみるつもり。
美由紀は最大級のお墨付きをくれていたし。
だから今は付き合う可能性があるって前提で話をする。

「お前、友達って言っても結局は、」

ブルル…

「あ、ちょっとごめん!」

胸ポケットに入れていたスマホが震えた。
もちろんマナーモードにしてあるし、ディスプレイの明かりは最小限に絞ってある。
だからみんなに迷惑をかけることはないんだけど、やっぱり気を使う。

スマホの通知を見ると、今話したまさにその人物だった。

「杉山くん……」

「なに !? 」

「なんでもない。
ちょっと私、下に降りるね」
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