掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
『美由紀が目当てってことはない?』

親友の美由紀はスラッとしたモデル体型で、とても綺麗な顔をしている。
坂系アイドルのセンターにそっくりなのだ。

『さすがにそれはないだろう。
好きな人に誤解されるようなこと、すると思うか? ありえないと思うぞ』

そうなんだ。

そこへ、杉山くんからまたメッセージが届いた。

『今度の日曜日、映画でも観にいかない?』

これって、デートのお誘い?

通知を見ただけだから、まだ既読にはなっていない。

『今映画に誘われた』

『え』

『杉山くん』

そこで淳之介の返答が止まった。

あっちも誰かとメッセージのやり取りしてるのかな?

でも、これどうしょう?
友達だと割り切って、遊びに行ってみる?

こういう時、いつも相談に乗ってくれるのは美由紀か淳之介。

でも美由紀は今、強化合宿の最中だ。
連絡ができない。

「淳くん、何してるんだろ……」

メッセージは途切れたままだ。
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