掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「上に行って、一緒に飲みましょう!」

「あ、はい!」

……スマホはお預けだな。

もう一度暗闇に目を馴らさないと。

杉山くんへの返事は明日の朝へと持ち越すことになった。




結局、杉山くんからのお誘いは断らざるを得なかった。

誘われたその日曜日は、前々から予定が入っていたのだ。母や姉と親友を誘っての温泉女子会。

これは外せないでしょう!
優先順位は確実に女子会が上。

それに、メッセージが途切れたままだった淳之介から

『環が本当はどうしたいのか、よく考えてから行け』

と、一言メッセージがあったのだ。

私がしたいこと……

考えるまでもなかった。好きな人は別にいて、杉山くんと付き合いたいわけではない。

やっぱりやめておこう。

ということで、翌日にはお断りのメッセージを入れたのだ。





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