掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「やったな、あいつ……」

「淳くん……うん! 拓郎、頑張った」

私たちは同志だ。
二人で拓郎を支えている。

拓郎がやり遂げたのを見て、淳之介と二人、ひっそりと感動に浸っていた。

しかし、すぐに出口への誘導が始まる。

座席の後方から混乱のないように観客を誘導する。

目が明るさになれていなくて、みんな眩しそうにしている。

ほとんどの観客が出たところで、中を覗いてみると、菊岡さんと川原さんが拓郎のもとへ行き、労っていた。

本当によくやったと思う。

「環ちゃん、淳之介も!」

「菊岡さん、今日は拓郎のためにありがとうございました」

「いや、もうこのままスカウトして連れて行きたいくらい良かったよ!
淳之介も大変だったんじゃないか?
解説そのものより、プラネタリウムの手配や開催の段取りの方が煩雑だろう?
拓郎のことだ。淳之介に丸投げだったんじゃないか?」
< 77 / 278 >

この作品をシェア

pagetop