掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「……チケットは?」
「あの……取ってないみたいで」
「ねぇ、私、拓郎の彼女なのよ?
そんなの必要ある?」
「もちろん必要だよ。
防火条例で定員は決まっているんだ。
そこは絶対に無視できない。
今回も満席だ。咲希が入れる回はこの先もないよ」
「ちょ、淳くん……」
「ひどいっ!!
彼氏の勇姿を見に来たのに入れてもらえないなんて!
拓郎だって、絶対に私に聞いて欲しいと思ってるのに〜!
拓郎が私にチケットを渡し忘れただけなのよ? 」
突然、声を変えて、よく通る可愛い声で騒ぎ出した。
これ……みんなに聞こえるようにだ。
しかもこんなに可愛い声で、さも自分が被害者かのように訴えれば、絶対に私たちに非難が集まる。
「……おい、咲希。ズルくないか?」
淳之介が静かな怒りを咲希ちゃんに向ける。
滅多にないことだ。
淳之介が怒るなんて……。
「じゅ、淳くん!
……今回は、私が抜けるわ。
だから咲希ちゃん、中に入ってください。
あ、でも、スタッフとしてだから、立ち見になります。あと、終わったあとの誘導も手伝ってもらわないと。
……できますよね?」
「環!?」
「あの……取ってないみたいで」
「ねぇ、私、拓郎の彼女なのよ?
そんなの必要ある?」
「もちろん必要だよ。
防火条例で定員は決まっているんだ。
そこは絶対に無視できない。
今回も満席だ。咲希が入れる回はこの先もないよ」
「ちょ、淳くん……」
「ひどいっ!!
彼氏の勇姿を見に来たのに入れてもらえないなんて!
拓郎だって、絶対に私に聞いて欲しいと思ってるのに〜!
拓郎が私にチケットを渡し忘れただけなのよ? 」
突然、声を変えて、よく通る可愛い声で騒ぎ出した。
これ……みんなに聞こえるようにだ。
しかもこんなに可愛い声で、さも自分が被害者かのように訴えれば、絶対に私たちに非難が集まる。
「……おい、咲希。ズルくないか?」
淳之介が静かな怒りを咲希ちゃんに向ける。
滅多にないことだ。
淳之介が怒るなんて……。
「じゅ、淳くん!
……今回は、私が抜けるわ。
だから咲希ちゃん、中に入ってください。
あ、でも、スタッフとしてだから、立ち見になります。あと、終わったあとの誘導も手伝ってもらわないと。
……できますよね?」
「環!?」