掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「環ちゃん?」

「え?」

振り返ると杉山くんがいた。

「来てくれたんだ」

「あ、うん……」

美由紀に会いに来たんだけどね。

「ラムネ、サービスするよ」

「え、ちゃんと購入するよ?」

「せっかく来てくれたんだから」

そう言って、ニコニコ笑った杉山くんはとても爽やかで、ただのお友達だったとしてもキュンとしてしまう。

プシュッというラムネの音が聞こえて、中から気泡が溢れ出した。

「はい」

「わぁ! ありがとう!」

ラムネを渡してくれた手が少し触れた。
すごく冷たい!

「杉山くん!
手がめちゃくちゃ冷たいよ?」

すると杉山くんが私の手を握った。

「冷たっ!」

「俺は裏で氷を割ってるんだよ。
田中さんが環ちゃんの名前を呼ぶ声が聞こえたから出てきた」

「……そ、そうなの……」

「あ、ごめん!」

「う、ううん……」

びっくりした……
突然手を掴まれるなんて思ってもみなかったから。
ちょっとドキッとしちゃった。
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