掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
アルコールの入った霧吹きと、雑巾を持って、まずは図書館棟の入口へと向かう。

「あれ? 最後の子、もう帰ったんだ」

「淳……倉田先生…
今帰りましたよ。何かありましたか?」

「いや、終わったなら消毒作業を手伝おうかと思って…」

「え? いや……いいですよ。
倉田先生だって、クラスの消毒作業で大変なのに…」

「もう終わった。
一緒にやれば早く終わるだろう?」

「……」

「その雑巾借りるよ。」

そう言って、倉田先生は私の手にある雑巾を取り上げ、扉を念入りに拭きだした。

はぁ……
この人は言ってもきかないんだから…

「環、もう就業時刻は過ぎてるんだ。
呼び方戻して」

「……淳くん、じゃあここと、カウンターをお願い」

「わかった」

淳之介はにっこりと微笑んだ。
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