掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
俺達3人は、いつも一緒にいた。

そして俺は物心ついた時から、もう環が好きだった。

いつもハツラツとしていて、可愛い顔をしながらも言いたいことはハッキリと言う環。

中間子だからか、上に甘えることも知っているし、年下の面倒もよくみる。

俺の年の離れた弟妹にも、いつも優しく接してくれるのが環だった。

少し気が強いところも、俺には可愛かった。

ただ、ずっと見ていたからこそわかる。
環の目はいつも拓郎を追っていた。

身長は高く、精悍な顔立ちをしていて、星バカで直情的。誰もを惹き付けるカリスマ性のある拓郎。

男の俺が見ても、アレに惚れるのは仕方ないと思う。

どちらも大切な二人だから、俺は自分の想いを伝えるつもりは一切なかったのだ。

二人が上手くいくことを本気で願っていたんだ……あの時までは。







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