掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
朝倉家と真野家の庭は低い垣根で繋がっている。
だから真野の犬は、我が家の庭もテリトリーだと思っているくらい密接だった。

まだ暗い隣の庭を見ていると、庭に面したリビングにぼんやりと明かりが灯り、拓郎が中から出てきた。

時刻は5:10。

こんな時間に?

夜明け前の空を見に出たのだろうか…

私は何かに突き動かされるように、上着を羽織り階下へと降りていった。

今なら拓郎と話ができるかもしれない!

ずっと、ずっと秘めてきたこの想い、今なら伝えられるかもしれない!!

告白しよう。

今しかない。

次に会えるのはいつかもわからないんだから!

その結果がダメだったとしても、何もしないよりはいい!

そう自分に言い聞かせて、隣の庭へ行こうとした。
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