君と誓の約束を

出会いは保健室だった。





「……はるり?」


「あ、ごめん。ちょっとお腹痛くて……」


「えっ、大丈夫?」


「うーん、保健室行ってこようかな」


「じゃあ、先生に伝えとくね」


「ありがと」


高校一年生になって、体調不良で保健室に行くのは初めてだ。

緊張する気持ちを抑えて保健室へ向かう。


やばい。結構痛い。


ちょっとずつ歩くスピードが遅くなって、やっとの思いでたどり着いた。


保健室って、ノックとか必要だっけ。

いいや、入ろう。


「失礼します……」

「えっ、顔色が真っ青!どうしたの?」


先生じゃ、ない?


「あ、俺は先生の代わりを任されているから大丈夫だよ」

「……お腹が、痛くて」

「そっか。とりあえず、そこのベットに座ってくれる?」


先生の代わりと言った男の子は一番奥のベットを指さした。


先生はどうしたんだろう。出張かな?


私はベットの上に座り、テキパキと動く男の子を見た。


「はい、これ」

「え、あ、ありがと」


男の子から渡されたのは、暖かいお湯が入ったペットボトルだった。


「それでお腹を温めて」

「うん」

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