君と誓の約束を

私を安心させるように優しく微笑んでくれる彼を見ると、なぜか懐かしさが込み上げてくる。


「あのっ、名前、教えてくれませんかっ」


思わず聞いてしまった。


「…………」


無言がつらい。

待って、もしかして非常識だった?

どうしよっ、恥ずかしすぎる……!


「こっ、答えたくなければ答えないでくださいっ!」


おかしい。日本語がおかしい気がする。

もうヤダ。どうすればっ、


「りゅうと、柴崎隆斗だよ。君は?」

「笹原はるりだよ。よろしくね」


喋ってくれたことに感謝!

会話が止まって気まづくならなくて良かった!


「そういえば、先生の代わりって言ってたけど、出張?」

「うん。本当は保健室を閉めてから行こうとしてたらしいんだけど、俺が居たから代わりに任されたんだ」


生徒に任せていいんだっけ。

普通は閉めて行くと思うんだけど……。


「柴崎くんは、どうして保健室に?」

「んーとね……。さぼり?」


さぼりって……偶然居たから頼まれたのかな。

でも、やっぱり変な感じがする。

さぼりだったら教室に戻しそうだもん。

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