モノクロと二つの音
【バコン!!】
岡田先輩は走って追いかけて私の足を蹴る
その衝撃で私はその場で倒れてしまう
そして先輩は私に馬乗りになり腕を押さえた
それに必死に抵抗しても男の人の力には勝てない
「おい、付き合ってんだろって
お前なんのために俺と付き合ってんだよ!」
息が荒くなる先輩の唾がかかる
それすら体が凍るほど嫌悪感でいっぱいだった
「私は!岡田先輩がピアノ好きだって言うから」
私は素直に思ってることを言った
告白された時はそうだと思った
ピアノを弾いてる私が好きだって
ピアノが好きだって
「嘘に決まってるだろ!」
「……え」
私はその言葉に体が脱力した
「お前が好きそうな物で釣ったんだよ
俺が見てたのはこの体」
岡田先輩は私の制服を捲り上げる
「や、やめてってば!」
……もう信じられない
「お前がピアノ弾くところなんて誰も見てねーんだよ!」
「…………」