モノクロと二つの音
「そんな難しいならあたしのこと下の名前で呼べばいいじゃん」
「……え」
下の名前……
「く、く、クキちゃん!」
「紅衣だよ!"き"から離れろ!!」バウッ!!
紅衣ちゃんかー
結構気さくに話してくれてるけど
「ったく、名前くらい覚えろっての」
私、あなたにまだめちゃくちゃビビってますのー!!
金髪で登校するって大丈夫なの!?
私まで不良だって思われたらさ!
『え、天地さんって…地味なのに陽キャになりたがりの必死さん??
だっさーー!!!あっはははははは!』
だああああああ!!!陽キャにはなれないよ!!
ごめん!紅衣ちゃん!!
「何回も名前間違えんなって言っといてなんなんだけどさ
あんたの名前はなんで名前なの?」
「………私?」
「あんた以外誰がいんの」
「わわわ、私は天地冬華!」
「長い!言いにくい!ふーかでいい?」
「な、なが!?どこが!?」
紅衣ちゃんも私の家族と同じようにふーかと呼んでくれるようになりました