オネエさんとOL
林太郎が片手鍋と野菜のお皿を持ってきた。鍋は卓上IHに置かれると、持ち手がぱちんと取れた。『持ち手が取れる鍋すごい!』とどうでもいいところに感動していると、まくられた林太郎の手首が目に入る。男性としてはごつくはないが、やはり結よりしっかりしている。ムダ毛などなく結よりすべすべで、黒の袖と白い肌の対比が美しい。
「何見てるの? こっちはあとで入れる用で、鍋のはもう煮えてるから食べられるわよ?」
困惑したような林太郎に、結は慌てて首を振った。ひもじい子だと思われてしまった。
何というか、林太郎のことはずっと頼りになる女友達のように思っていたので、付き合っている異性として意識すると、どぎまぎしてしまうのだった。もちろん林太郎のことは人間として好きだし、話を聞いてもらったり頭を撫でてもらいたいと思うけれど、付き合っている、と考えると不思議な感じがする。林太郎の恋愛対象が女性なのか男性なのか、はたまた性別は関係ないのか、付き合って初めて『女性でいいのか!』と思ったくらいだし。
「ありがとう! いただきます」
「何見てるの? こっちはあとで入れる用で、鍋のはもう煮えてるから食べられるわよ?」
困惑したような林太郎に、結は慌てて首を振った。ひもじい子だと思われてしまった。
何というか、林太郎のことはずっと頼りになる女友達のように思っていたので、付き合っている異性として意識すると、どぎまぎしてしまうのだった。もちろん林太郎のことは人間として好きだし、話を聞いてもらったり頭を撫でてもらいたいと思うけれど、付き合っている、と考えると不思議な感じがする。林太郎の恋愛対象が女性なのか男性なのか、はたまた性別は関係ないのか、付き合って初めて『女性でいいのか!』と思ったくらいだし。
「ありがとう! いただきます」