間違えてない?私なの?
「へー、城が好きなんだ。」
 本田くんは、笑顔で私を見た。

「うん。日本のお城は一緒に見えて全然違うの。城主によって、いろんな工夫されてるんだよ。」
 私は、ウキウキと話した。
『はっ』とした。
『私、何、ベラベラ喋ってるんだろう。』
 急に恥ずかしくなった。

「そうやってみんなと話せばいいのに。」
 本田くんはノートを返してくれた。
 そして、相川くんのところに戻って行った。

 デスクの上には、シャーペン、ボールペン、消しゴムが置かれていた。
 本田くんのだった。

 私は、本田くんの優しさに触れた。
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