間違えてない?私なの?
 カーテンがゆっくり空いた。

 私は恐怖心で目が開けられなかった。
 絶対、優華ではない。
 先生でもない。

『誰?』

 私は、寝たふりを続けた。
 
 唇に柔らかいものが重なった。

『え?』
 一瞬目を開けた。

『本田くん?』
 すぐに目を瞑った。

「心配したよ。顔色良さそうで良かった。」
 そう呟き、保健室を出て行った。
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