間違えてない?私なの?
「え?じゃあ、保健室でのキスは、私に?」
 本田くんの表情は驚いていた。

「やっぱり、起きてたんだ。」

『しまった。つい。』
 私は、自分の口を押さえた。

「もしかしたら、起こしたかなって思ったけど、坂口、何も変わらなかったから、気づいてないんだと思ってた。」
 本田くんはため息をついた。

「ごめん。優華と間違えたんだと思ってた。」
「なんだよ、それ。間違えるわけないじゃん。」
 本田くんは怒り口調で言った。
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