間違えてない?私なの?
 本田くんの唇が離れた。

『私のファーストキス』
 ドキドキが止まらなかった。

「嬉しい。ありがとう。」
 本田くんは笑顔で言った。
「私も、嬉しい。ずっと好きだった。でも、私なんかが・・・って思って。
 すぐ返事できなくてごめんなさい。」

 私の頭を本田くんは撫でながら
「いいよ。これからよろしく。」
「うん。」
「じゃあ、家まで送ってくね。」
「いいよ。近いし。」
「ダメ。もう少し、風華と一緒にいたい。」
 本田くんの言葉に甘える事にした。

 ベンチを立ち、歩き始めた。
 本田くんの手が、私の手に触れて、手を繋いだ。

 自宅まで、本田くんは送ってくれた。
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