冷酷御曹司の激情が溢れ、愛の証を宿す~エリート旦那様との甘くとろける政略結婚~
けれど、そんなことを言える余裕があるならそこまで深刻な体調不良ではないのだろう。薬を飲んで休めば落ち着くはず。それでも下がらなければ病院に連れていこう。
結婚して一緒に暮らすようになってからずっと思っていたけれど、充さんは働きすぎだと思う。その疲れが出たのかもしれない。
ベッドに横になった充さんが目を瞑ったのを確認して、私はそっと寝室をあとにした。
お昼頃になると、ネギ入りの卵雑炊を作って寝室に向かった。
充さんはまだ寝ているようで、すやすやと寝息をたてている。ベッドサイドのテーブルに雑炊の入った小さな鍋をのせたトレーを置いてから、充さんの寝顔を見つめた。
いつも私が起きるよりも早く家を出て、帰宅するのも私が眠ってから。そんな彼の寝顔はとても貴重だ。普段から隙を一切見せず、クールな態度を崩すことない充さんの無防備な寝顔に思わずクスッと微笑んでしまう。
それと同時に、倒れるギリギリまで働いていた彼のことが心配になった。