冷酷御曹司の激情が溢れ、愛の証を宿す~エリート旦那様との甘くとろける政略結婚~

「プレゼントなら毎日貰ってる。仕事を終えて帰宅すると、可愛い妻と娘が迎えてくれるんだ。俺にとってこんなに嬉しいことはない」
「充さん……」

 以前の彼ならば言いそうにないセリフに感動してしまう。

「菫。ちょっとソファに行かないか」

 瞳をうるうるさせていると、充さんがふとそんな提案をした。

 ふたりでソファに移動して腰を下ろす。その瞬間、充さんの腕が伸びてきて思い切り彼の胸に引き寄せられた。

 突然の抱擁にドキッと胸が高鳴る。そういえばこういう触れ合いをするのは久しぶりかもしれない。

 充さんの手が私の頬を包み、そのまま顔を上に向かせられる。端正な彼の顔がすぐ目の前にあり、毎日顔を合わせているというのになぜかドキドキしてしまった。

「充さん。お誕生日おめでとうございます」

 朝からバタバタしていて、今日一番大事な言葉をまだ言っていなかったことを思い出す。

「ありがとう、菫」

 充さんが優しく目を細めて微笑んだ。私に顔を近付けると、そっと唇を重ねる。

「……んっ、充さん……」

 初めは啄むような優しいものだったのに、こじ開けるように差し込まれた彼の舌が私の舌を優しく絡め取る。
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