冷酷御曹司の激情が溢れ、愛の証を宿す~エリート旦那様との甘くとろける政略結婚~

 招待客は三百人ほどで、ほとんどが宮條家側のゲストだった。大企業の社長や政界で活躍する人物、海外から来ている外国の方々もいた。

 メディア関係者も呼ばれていたのでおそらく新ホテルのお披露目も兼ねていたのだろう。

 たくさんの人に囲まれて注目されることに慣れているであろう充さんは堂々としていたけれど、平凡で地味に生きてきた私は挙式のときから膝がずっとぷるぷると震えていた。

 その日の夜はクレシャリーテホテルに宿泊したのだけれど、いざ体を重ねるというタイミングで充さんの冷酷発言が飛び出たのだ。

 思い出してついため息をこぼしてしまう私に、綾芽ちゃんが声を掛ける。

「でもさ、普段から傷付くようなことを言われたり、嫌なことをされたりはしてないんでしょ?」
「傷付くことなら初夜のときに言われた」
「それだって、菫が泣いたから充さんが途中で止めてくれたんだよね」
「うん。そうなんだけど……」
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