冷酷御曹司の激情が溢れ、愛の証を宿す~エリート旦那様との甘くとろける政略結婚~

「そんなに意気込まれると逆にやりづらいな」

 クールな表情が崩れ、口元に笑みを浮かべる彼に思わず視線が釘付けになった。

 充さん、ちゃんと笑えるんだ……。

 初めて見た笑顔に感動している間にも、充さんの手が私のパジャマを脱がしにかかる。

「痛かったり、こわかったりしたらすぐに言って」

 充さんの見惚れてしまうほど端正な顔が徐々に近づいてきた。

「菫、目を閉じて」

 普段よりも数倍甘い声で名前を呼ばれた私は、言われた通りにそっと瞼を下ろす。すぐに唇が重なり、結婚式のときに交わした誓いのキスとはまったく違う濃厚なキスに動揺してしまう。

 経験のない私とは違い、おそらく充さんはこういった経験が豊富なのだろう。息をするために薄く開いた唇から舌を差し込まれ、口内を荒々しく犯されていく。

 充さんのペースについていくのがやっとな私は、彼から与えられる甘く激しいキスを大人しく受け入れていた。
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