冷酷御曹司の激情が溢れ、愛の証を宿す~エリート旦那様との甘くとろける政略結婚~

 その後、私たちはカウンター席に移動。

 ベイカー先生の右隣に奥様のカレン夫人、左隣に充さん、そしてその隣に私が座った。

 食事の間、主に会話を楽しんでいるのはベイカー先生と充さんで、たまにカレン夫人もそこに混ざって笑い声があがる。

 どんなに耳を澄ましてみてもなにを話しているのかさっぱりわからないので、三人が笑うと私も一緒に笑顔を作り、楽しげな雰囲気を乱さないよう心掛けた。

 たまにベイカー先生がちょっと話せるという日本語で私に話を振ってくれるので、英語と日本語を混ぜて必死に答える。

 カレン夫人は日本語が話せないので、彼女と話すときはベイカー先生が私たちの間に入って通訳をしてくれた。

 けれど、お酒が入ってくるとベイカー先生は使い慣れた英語しか話さなくなり、そのときは充さんが私たちの通訳をしてくれた。


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