冷酷御曹司の激情が溢れ、愛の証を宿す~エリート旦那様との甘くとろける政略結婚~

 充さんの唇が私の唇に触れた。

 初めは私の反応を窺うような優しいキスが、次第に深く甘く変わっていく。一度離れてから、今度は噛みつくように唇を重ねられた。

「……んっ」

 こじ開けるように舌を差し込まれると、充さんが私の舌を絡め取り口づけをさらに激しくする。

 彼の手が下着の上から胸に触れた。そのままやんわりと揉まれれば、それだけで自分のものとは思えない甘い声が口から漏れてしまう。

「……ぅん」

 互いの唾液が混ざり合う音が室内に響く。充さんの唇が首筋に下りて、舌先でそっとなぞられる。その刺激に思わず息をつめた。

 ブラの肩紐をずらされ、進入してきた充さんの手が直接胸に触れる。ごつごつとした親指で胸の頂を刺激された瞬間、ビクッと小刻みに体が揺れた。

「あ……んっ」

 いつの間にかブラのホックは外されている。充さんの舌先が私の胸の輪郭を確かめるように舐めあげると先端を含んで優しく吸った。

「や……っ、だめ……」

 快楽から逃れるようにきゅっと目を閉じれば、気付かない間に浮かんでいた涙が頬を伝う。でも、この涙はこの前のときとは違う。充さんに与えられる甘い刺激により自然と溢れてくるのだ。
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