冷酷御曹司の激情が溢れ、愛の証を宿す～エリート旦那様との甘くとろける政略結婚～

　何度か来たことのある坪井くんは、慣れた手つきでメニュー表を広げて注文をする。頼んだのはフレッシュフルーツのパンケーキと生ハムサラダのパンケーキ。どうやらふたりでシェアして食べるらしい。

　食べられるだろうか。ルームサービスで食事をしたばかりの私の胃袋はすでにぎゅうぎゅうでどこにもスペースが空いていない。

　しばらくするとパンケーキが運ばれてきて、思った以上の大きさに顔が引きつる。

　フレッシュフルーツのパンケーキには山盛りのホイップクリームが、生ハムサラダのパンケーキには薄くスライスされた生ハムと葉っぱ系の野菜、ミニトマト、パプリカなどがこんもりとのっている。

　ひとつをシェアしても十分お腹がいっぱいになりそうなボリュームだ。坪井くんが生ハムサラダのパンケーキを切り分けて私のお皿にのせてくれた。

「い、いただきまーす……」

　さっそく口に含む。

「ん。おいしい。パンケーキふわふわだね」

　お腹はいっぱいでも味と食感はわかる。とても美味しいパンケーキだ。できれば空腹のときにもりもり食べたかった。