能ある彼女は敏腕社長に捕獲される
社長は私の顔をじっと見つめると、
「君さ、本当は有能だよね?」
と、言ってきた。

自分の顔が引きつったのを感じた。

「えーっと、それはどう言う意味ですかね…?」

何か雲行きが怪しくなったぞ、おい。

「ノルマ達成はいつも最速だし、取引先からの評判もいいって俺は聞いてる。

クレームがあっても完璧に、それも迅速かつ丁寧に処理をしているそうじゃないか」

「そ…それはあれですよ、運がいいだけの話ですよ、偶然ですよ。

相手も話がわかるいい人で助かっているだけの話ですよ。

私って、本当にいい人に恵まれてますよねー」

ヘラヘラと笑いながら私は言い返した。

「彼らが求めていることを常に理解して無駄のない課題解決に繋げていることや資料もわかりやすくて丁寧で説明も簡潔で的を射ている」

ちょっと待て、どこまで調べてるんだ!?
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