能ある彼女は敏腕社長に捕獲される
何だこれは、ストーカーか!?

ものすごい用意周到過ぎやしませんかい!?

「君が担当しているところのクレームはないそうだし、担当者を君に変更してから“担当者を戻せ”と言うクレームはなかったと聞いている。

お前が前にいた営業部の上司たちは秘書課への異動を反対していたくらいだったぞ」

「えっ、マジ?」

その事実に思わず聞き返したら、
「まあ、そこは俺が説得してお前を秘書課へと異動させたんだけどな」
と、社長は笑いながら答えた。

「どうして有能であることを隠して、ずっと無能のフリをしていたのかはよくわからないけれど…まあ、そこに関しては今は何も聞かないでおこう。

その他にも何か言いたいことはあるか?」

そう聞いてきた社長に、
「だ、だとしても他に有能な人はいるんじゃないかと私は思うんですけど…」
と、私は言い返した。
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