能ある彼女は敏腕社長に捕獲される
社長はナイフとフォークを手に取ると、それを使って下の皿のサンドイッチを取った。

私も彼のまねをするようにナイフとフォークを手に持ってサンドイッチを取ると、それを取り皿へと乗せた。

きゅうりだけのサンドイッチって珍しいな…。

そう思っていたら、
「きゅうりは今ではこうして簡単に手に入ることができるけど、19世紀のイギリスでは手に入りづらくて今で言うところの高級食材だったらしい」

社長が言った。

「当時のイギリスではきゅうりを食べられることはステータスで、きゅうりのサンドイッチは貴族に愛されていたそうだ」

「そうなんですか」

きゅうりのサンドイッチを食べやすいようにナイフで切り分けると、フォークに刺して口に入れた。

あっ、美味い。

すっきりとした酸味が効いているきゅうりにまろやかなバターがとてもあっていた。
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