能ある彼女は敏腕社長に捕獲される
軽くてさっぱりとした感じのサンドイッチはダージリンティーと相性がよかった。

確かに昔は高級食材だったのも納得できるな。

カップをソーサーのうえに置くと、
「昔はおしゃれなものだったけれど、最近はそんなに好きじゃないかもな」

「えっ?」

そう言った社長に私は思わず聞き返した。

「肉と野菜がモリモリなサンドイッチの方が好きなのかも知れない」

「…そうなんですか?

と言うか、何で知っているんですか?」

イギリスにでも行ったことがあるのだろうかと思っていたら、
「父親の妹の夫がイギリス人なんだ」
と、社長が言った。

ああ、それで詳しいのかと私は思った。

「学校が夏休みに入ると、家族でイギリスに住んでいる叔母夫婦の家に遊びに行ってたんだ」

当たり前だけど、社長にも家族と言うものがいるらしい。
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