能ある彼女は敏腕社長に捕獲される
間違いじゃないんかい!

そのうえ、わざわざ迎えにくるんかい!

もっと他にやることがあるやろがい!

心の中で盛大にツッコミを入れて状況が変わるならば苦労しないね。

「えっ…つまり、秘書課への異動は…?」

「本当だ」

本当なんかーい!

「いやー、よかったな!

秘書課への異動は間違いじゃなくて、本当らしいぞ!

人違いでも何でもないそうだぞ!」

部長はガハハと笑っていた。

「門谷さん、おめでとう!」

「秘書課でも頑張ってね!」

「異動おめでとう!」

ちょっと待て!

何だ、このどこかのアニメの最終回みたいな展開は!

周りの拍手と祝福の言葉に、私は両手で頭を抱えたくなった。

誰か間違いだと言ってくれ!

誰か人違いだと言ってくれ!

こんな無能社員は大間違いだと言ってくれ!
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