秘書はあらがえない気持ちを抱いて 【おまけ①】
あと少しで21時という頃、いつものようにお茶とお菓子を用意するために隣接する給湯室へ足を向けると進一郎がそれを止めた。

「瑛二、今日は用意しなくていい。」

あの進一郎が、お菓子を用意しなくていいと言うなんて…
これは相当怒っているとしか思えない。

「進一郎…」

「瑛二、聞きたいことがある。」

進一郎は立ち上がると、俺の前に来て俺の目を真っ直ぐ見据えた。

力強い目に視線を反らしたくなるが、そこは必死で堪えた。

「…なんだ。」

「お前、今日誰とランチに行った?」


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