秘書はあらがえない気持ちを抱いて 【おまけ①】
「知り合いと行くと言っただろ。」

「どんな関係の知り合いだ?」

「どんなって…
最近仕事で知り合った人とだよ。」

「その最近知り合った奴と、2日連続でランチに行く仲なのか。」

詰め寄られ、それに一歩足を引けばまた詰め寄られる。

「仕事の話が盛り上がって、1日じゃ足りなかったんだ。」

「だから、
明日も会う約束をしたのか?」

「な、なんで知ってるんだ。」

「四郎が教えてくれた。」

四郎ー!
お前もなんで知ってるんだよ。

「おかしいと思ったんだ。昼もいつも俺と食べるのに、仕事関係で別々に食べることになったとしても、連日一緒に食べないなんて日は今までなかった。」

「これまでなかっただけだ。」

「そうか。なら、会っていた"女"の会社名と名前を言えるよな?」

気付けばデスクに追いやられ、下がる場所がもう残されていなかった。

「それは…」

< 15 / 85 >

この作品をシェア

pagetop